一口にシステムエンジニアと言っても、システムの設計から実装、テストまで幅広い業務があります。システム業界以外の人から見ると、業務内容が難しく職人的なイメージがあるかもしれません。
しかし、未経験可とする求人も意外に多く、その業務について疑問に思うこともあるでしょう。今回の記事では、IT業界未経験の方が、出来る業務と出来ない業務について解説します。
〇IT業界未経験でも出来る業務
IT業界未経験でも出来る業務は次のような作業が挙げられます。
- システムテスト
- データ入力
- ドキュメント作成
- オペレータ
システムテストは、作成したシステムが仕様通りに動くか確認する作業を指します。仕様書に沿ってテスト項目を決める工程は経験が必要ですが、テスト項目通りにシステムの動きを確かめる工程は未経験者でも担当できます。確実なテストの実施は、システムの出来を左右する重要な要素です。条件に漏れがないよう慎重に実施しましょう。
データ入力作業は、紙のデータをシステムのデータベースに移行する場合などで発生する作業です。データ入力を間違えてしまうと、以前と内容が変わってしまうため注意が必要です。
ドキュメント作成は、システム開発の様々な工程で必要となります。未経験者が担当するのは、会議の議事録やスケジュール管理など、システム開発の知識が必要ない文書の作成です。見やすく分かりやすいセンスのあるドキュメントを書くには、努力と工夫が必要となります。また、会議の議事録は、発言に沿ってリアルタイムに記録するためタイピング速度が必要となります。
システム開発におけるオペレータは、システム運用後にシステムが正常に動作するか確認する作業を指します。仕事内容はトラブル時の対応まで含まれている場合もあれば、手順書に沿って操作するだけの場合もあります。後者であれば、未経験者でも出来る業務です。
〇IT業界未経験では出来ない業務
IT業界未経験では出来ない業務は次のような作業が挙げられます。
- プログラミング
- 設計
- プロジェクトマネジメント
プログラミングは、システム開発において仕様書通りにシステムが動くようにプログラムを作成する作業を指します。プログラミング言語を勉強しないとコードを読んだり書いたりできないため、未経験者には難しい作業です。まずは研修などで実際にプログラムを動かす訓練をしてから、システム開発の実装チームに配置されるのが一般的です。未経験者は自主的に勉強して、早く配置されるように自己アピールしましょう。
設計は、システムに求められる機能を記載した要件定義書に基づき、システム設計書を作る工程です。工程は主に外部設計と内部設計に分かれます。外部設計は、画面遷移、レイアウト、データベース設計などシステムの構成を決める作業です。内部設計は、クラス、モジュール、データフローといったシステムの部品となる機能を決める作業です。設計工程はプログラミング知識が前提となるので、まずはプログラミングの業務を経験してから担当するのが一般的です。
システム開発におけるプロジェクトマネジメントは、人員にどの機能を担当させるか割り振り、スケジュール通りに進んでいるか進捗を管理していく作業です。プログラミングや設計の知識に加えて、プロジェクトを引っ張っていける強いリーダーシップが必要となります。
〇IT業界以外から転職する方法
IT業界は常に人材が不足しており、IT業界未経験であっても応募できる求人が多くあります。転職するためには、できるだけ早く実務に入れるように、事前にプログラミングについて学んでおくことが大切です。研修に参加する、本を買って学習するなどの方法でシステム開発について勉強しておきましょう。またITに関する資格を取っておくと、客観的にレベルを判断しやすくなるため有利になります。
転職するためには、年齢も重要な要素です。未経験であれば、実際に現場に配置できるようになるまで研修期間が必要となります。会社としてお金をかけて教育するわけですから、将来性を期待されます。年齢が若く、将来にわたって長く働いてくれそうな人材であることが重要視されます。
未経験者がIT業界に転職した場合、最初はほとんど力になれないため辛く感じることもあるようです。ただシステムエンジニアは職人的な側面があり、努力してスキルを身に付ければ安定して収入を得られます。求人も多いため転職しやすく、フリーランスとして活躍することも可能です。
〇まとめ
システムエンジニアは、スキルがある人材とスキルがない人材の仕事量がまるで異なる職人的な職種です。未経験からでも転職できますが、自分で勉強していく努力を怠らないことが大切です。
IT業界未経験で出来る業務では得られるスキルが少ないため、まずはプログラミングができる業務へと配置してもらうことが大切です。