2018年には様々なSaaSのサービスが誕生しました。この動きは2019年も続く見込みで、SaaSのスタートアップには積極的な投資が見られます。
IT企業の中には、SaaSサービスの提供を考える会社もあるでしょう。そこで考えるべきことは、ユーザーに価値を提供し、契約を継続してもらう方法です。
今回の記事では、以下の四点を中心に解説していきます。
- SaaSとは?
- SaaSのメリット
- SaaSのデメリット
- SaaSの運営で重要な指標
SaaSとは?
SaaS(サース)は「Software as a Service」の略で、クラウドで提供するインターネット上のITサービスを指します。従来、ソフトウェアはCDやDVDのパッケージで提供されていました。しかし、現代ではサーバー側でソフトウェアを展開し、インターネットを介して利用する方法が主流となっています。
SaaSと似た意味の言葉として、ASPが挙げられます。ASPは「Application Service Provider」の略で、インターネットでアプリケーションを提供するITサービスを指します。ASPは、SaaSが普及する前のサービスとして利用されていました。
SaaSとASPの最大の違いは、マルチテナントであるか否かです。マルチテナントとは、サーバー側のリソースを複数のユーザーで共有する方式を指します。SaaSはマルチテナントを採用することで、多くのユーザーに低コストでサービスを提供することが可能となりました。
SaaSのメリット
SaaSを利用するメリットとしては、主に以下の三点が挙げられます。
- 利用する場所や端末を選ばない
- インストールする必要がない
- 利用する範囲の料金を選択できる
SaaSは、クラウド上のソフトウェアを利用するため、作業する場所を選びません。例えば、会社や自宅、コワーキングスペースなど、インターネット環境さえあればどのような場所でも作業できます。ユーザー単位の登録なので、自分のPCだけでなく他のPCからでも操作可能です。ソフトウェアによっては、タブレットやスマホのアプリも提供されています。
そして、SaaSはパッケージ型のソフトウェアと違いインストールの必要性がありません。マシンスペックが劣るPCや、容量が少ないPCでも利用しやすくなります。ソフトウェアの設定内容も共有できるため、利用端末を変えても、いつもと同じように作業できます。
さらに、SaaSでは自分の利用したい機能だけを選択して契約できます。従来の買い切り型のソフトウェアと違い、余計な機能の費用が掛かりません。もしも、ソフトウェアを利用しなければ、解約することでコストを抑えられます。
SaaSのデメリット
逆に、SaaSを利用するデメリットとしては、主に以下の三点が挙げられます。
- 継続コストがかかる
- オフラインで利用できない
- セキュリティ上の不安が残る
SaaSは月額型のサービスが多く、利用する期間分の料金がかかります。利用し続けると、期間の長さによっては買い切りのソフトよりもコストがかかる場合があります。
また、SaaSはクラウド上からソフトウェアを提供するため、利用にはインターネット環境が必要となります。オフラインの状態ではサービスを利用できません。
さらに、クラウド上へのデータ保存や、インターネット回線によるデータのやり取りでは、情報漏洩のリスクが発生します。各サービスは通信の暗号化等によりセキュリティ対策を行っていますが、絶対に安全とは言い切れません。特に、機密性の高いデータを使う場合には注意が必要です。
SaaSの運営で重要な指標
SaaSのサービスを展開する上で一番重要なことは、ユーザーに利用を継続してもらう施策です。ユーザーの継続利用により、収益が安定し利益が向上します。
ユーザー継続の状況を見る上で一番大切な指標が「解約率」です。利用するユーザーの満足度を向上させることで、サービスの継続率が上がり解約率が下がります。
まとめ
SaaSによりビジネスのあり方は大きく変わります。顧客のデータを集めて解析し業務に役立てることで、企業は利益を向上させることが可能です。
IT分野だけでなく、流通や医療、アパレル、不動産など様々な業種へSaaSの導入が始まっています。SaaSの市場にはまだ潜在ニーズが存在し、ビジネスチャンスは大いにあると考えられます。