ITエンジニアとしての働き方の一つに「技術顧問」という職種があります。技術顧問は、企業から依頼を受けて契約し、エンジニアとして技術的に指導します。ベンチャー企業や新たにIT分野に参入したい企業からの依頼が多く、新しいプロジェクトのスタートアップや、いままでに経験のないプログラミング言語の採用といった場面での支援が中心です。
技術顧問とは具体的にどのような業務をするのでしょうか。そして、技術顧問になるためにはどのようなキャリアプランを描いていけばよいのでしょうか。この記事で詳しく解説していきます。
技術顧問とは?
技術顧問は、依頼を受けた企業に対してエンジニアとして技術支援する職業です。具体的には、プログラミングのアドバイスや相談、難しい機能の実装、人材の採用や教育支援といった業務が中心となります。
開発チームに対して指導する立場なので、基本的な技術力を身に付けている必要があります。それに加えて、効果的に教えるためにはコミュニケーション能力も重要です。人当たりが良く、教えることに喜びを感じられる性格の人に向いているでしょう。
企業に常駐するケースは少なく、週に一回や月に一回といった頻度で依頼企業に訪問します。したがって、複数の企業と契約することも可能です。ただし、準備の期間や持ち帰った質問の回答を作成する時間も必要で、実際には勤務する時間以外にも業務が発生します。
エンジニアのスキルを特化するためには膨大な時間が必要となるため、特定の分野において技術顧問となることが一般的です。例としては、Ruby on Rails、マーケティング、セキュリティ、人工知能(AI)など様々な分野の技術顧問が存在します。
技術顧問の役割
同じ会社でプロジェクトを開発しているとやり方やツールが固定されて、生産力が伸び悩むことがあります。そのような際に技術顧問を呼ぶことで、開発方法の改善を図れます。外部の人間として忌憚のない意見を述べてもらうことで、今までにないアイデアを出してもらうことが可能です。
さらに、ベンチャー企業や新たにIT分野へ参入する企業といった、熟練エンジニアが少ない職場で技術的に支援する業務もあります。人材育成のための研修における講師や、質問に回答する相談役といった役割を担います。また、エンジニアの採用において、どのようなポイントに注目すべきかアドバイスします。
技術顧問の役割は、依頼企業が抱える問題によって異なります。要望に応えて、相手に満足してもらうことが重要です。
技術顧問になる方法
技術顧問になるためには、主に三つの方法があります。技術顧問を派遣する企業に入社する方法、副業として仕事をする方法、フリーランスとして独立する方法です。
IT企業の中には、技術顧問を派遣するサービスを提供する企業があります。そのような企業に就職し、技術顧問として活躍する方法があります。複数人で協力して問題解決に当たることも多いため、チームの仲間と連携して支援していくことが大切です。
本業に加えて、副業として技術顧問の仕事を引き受ける場合もあります。ただし、所属している会社が副業を認めている必要があります。エンジニアとしての資格や知名度があると、より高い報酬を得やすくなります。
技術顧問の専門家として、フリーランスとして独立することも可能です。この場合、依頼をもらうためには、それなりの実績が必要です。まずは、企業に属して経験を積みながら人脈を築き、依頼を受けるようになってから独立することをおすすめします。
まとめ
技術顧問は依頼企業に感謝してもらえるため、とてもやりがいのある職業です。しかし、人に指導するためには確かな技術力が必要となります。
また、依頼のニーズは時代によって常に変化していくため、技術力を向上させるために勉強を怠らないことが重要です。スキルを特化し、代えの効かない人材となることで技術顧問としての価値を高められます。