IT業界やエンジニアの間で徐々に知名度が広がっている言葉として「Devrel」が挙げられます。GoogleやAmazon、Facebookなど多数の有名企業がDevRelを実践しています。日本国内でもDevrelのコミュニティ活動が徐々に広がりを見せており、日本橋、新宿、五反田など東京を中心にイベントが開催されているようです。
しかし、Devrelは最近広がりを見せている活動で、まだ知らない方も多いはずです。そこで、今回の記事ではDevrelについて以下の三つの内容を取り上げます。
- Devrelとは何か?
- Devrelの具体的な活動について
- Devrelの推進に大切な三つの要素
それぞれの項目について詳しく解説します。
Devrelとは何か?
DevRelは「Developer Relations」の略で、一般的に「デブレル」と読まれます。マーケティング手法の一つで、開発者に向けて自社製品やサービスを知ってもらう広報活動を指します。さらに、開発者とコミュニティを築き、共同で機能追加やサービスの改善を行うこともあります。
DevRelの主なターゲットは、エンジニアやプログラマといった開発者側の人々です。開発者はITリテラシーが高く、Web広告やアフィリエイトといった一般的なマーケティング手法の効果が薄い場合があります。そこで、有効的なマーケティング戦略としてDevRelの採用が増えています。
DevRelは、開発者をターゲットとしているため、開発人材の獲得や情報発信による知名度アップが期待できます。よって、特に事業のスタートアップに相性が良いマーケティング戦略と言えるでしょう。
Devrelの具体的な活動について
DevRelは、一般的なマーケティング手法と違い、双方向のコミュニケーションやコミュニティの形成を重視します。直接的かつ深い関係性を築くことにより、信頼を獲得し継続的な利用を促します。
Devrelの具体的な手法としては、以下のような活動の実施が挙げられます。
- ブログや動画による情報発信
- SNSを利用したコミュニティの形成
- オフラインのイベント開催
Webを利用したオンライン上の情報発信は、広告の発信やWebサイトの開設よりも、ブログや動画の方が効果的です。その理由としては、コメントの記入やSNSへの誘導といった、双方向のコミュニケーションを取りやすいことが挙げられます。
また、DevrelではSNSを利用した活動も非常に有効です。SNSを利用すると参加者同士で会話できるため、コミュニティの形成に役立ちます。
さらにDevrelでは、勉強会やセミナーの開催といったオフラインのイベント開催を重要視しています。これらの活動は実際に会って交流するため、深い関係性を築きやすいメリットがあります。
Devrelの推進に大切な三つの要素
Devrelという言葉が広まるにつれて、導入を検討する企業も増えています。しかし、Devrelのやり方や特徴を理解していないと、成功する可能性は低くなります。
特に、Devrelを推進していく上で大切だと思われる要素が、以下の三つの項目です。
- 参加の敷居を低くする
- 熱狂的なファンを作る
- 継続を前提とする
Devrelでは、コミュニティに参加する人数を増やすことが大切です。例えば、初心者向けの説明会や最新トレンドをキャッチアップする勉強会といった、参加する敷居が低いイベントを実施しましょう。
また、Devrelを推進する上では、熱狂的なファンを獲得することが大切です。そこで、活躍する職種が「エバンジェリスト」です。エバンジェリストとは、製品やサービスを誰にでも分かりやすいように説明する役割を指します。コミュニティの活性化には、このような人々を動かす存在が必要となります。
最後に、Devrelはすぐに結果が得られる手段ではないことを理解しておきましょう。Devrelは、コミュニケーションによる関係構築から信頼を得る方法であり、効果が出るまでには時間がかかります。継続を前提とした計画を立て、活動を維持できるように工夫しましょう。