【ITエンジニアのコミケ】技術同人誌の祭典、技術書展とは?

最近、技術書展と呼ばれる取り組みが注目されています。技術書展は、ITエンジニアにとっての「コミケ(コミックマーケット)」とも言われ、大変な盛り上がりを見せています。

しかし、ITエンジニアの中には技術書展を知らない方もいるでしょう。そこで、今回の記事では以下の三つの項目を取り上げます。

  • 技術書展とは何か?
  • 技術書展に行くメリット
  • サークル参加する際に心がけるべきこと

それぞれの項目について詳しく解説します。

技術書展とは何か?

技術書展とは、技術同人誌と呼ばれるサークルによる技術書を展示即売するイベントです。技術書の種類には、プログラミング解説、新しい技術の紹介、IT業界へ就職指南など様々な内容が見られます。

2019年4月14日には、池袋サンシャインシティで「技術書典6」と題された大規模な技術書展が開催されました。会場は3,000平方メートルの広さに及び、来場者数も1万人を超えました。

その盛況ぶりを受けて、2019年9月22日には「技術書典7」の開催が決定されています。会場は、前回開催の2倍である6,000平方メートルとなり、約15,000人の来場を見込んでいます。

技術書展に行くメリット

技術書展に行くと、どのようなメリットがあるのでしょうか。その代表的な三つのメリットを紹介します。

  • 書店にはない技術書を得られる
  • 新しい技術に触れられる
  • 出展者と技術的な会話ができる

技術書展では書店に出回らないような内容の技術書を得られます。出版と比べて製作費用が安く、執筆のハードルが低くなります。数多くのサークルが参加するため、様々な内容の技術書が集まります。実際に「技術書典6」の出展参加サークル数は400を超え、1サークル当たり約1.4の新刊が販売されています。

また、IT業界では技術の変化が激しく、古い技術はすぐに時代遅れとなります。そのため、IT技術書は発売後に年月が経過すると、情報が古くなるリスクがあります。しかし、技術書展の本は作成してすぐに販売するため、情報の遅れが生じません。新しい技術の情報を得るにはに格好の場となっています。

さらに、技術書展はITエンジニアが多数集まるため、コミュニケーションの場としても機能します。参加するエンジニアは、技術書を執筆するくらいですから、技術の習得に意欲的な人が集まります。そのため、会話から新たな技術に興味を持つきっかけを得られる可能性があります。

サークル参加する際に心がけるべきこと

技術書展にサークル側として参加し、技術書を執筆・出展する場合には、どのようなことを心がけるべきでしょうか。それには、過去に開催された技術書展の情報が参考になります。

「技術書典6サークル参加アンケート結果と分析(https://blog.techbookfest.org/2019/06/03/tbf06-report/)」によると、新刊1品種あたりの持込部数平均は155部、最頻値は100部となっています。頒布物の完売率が59.4%であることを考えると、技術書の印刷部数は100〜200部を目安とすると良さそうです。

ただし、技術書展での販売は完売が目的とは限りません。読みたい人に届けるため、後で知人に配布するため、記念に取っておくためにも、少し余るくらいの部数を印刷することをおすすめします。

また、「サークル参加を継続する場合、重要だと考える要素」については、多くのサークルが「充実感、楽しさ」および「趣味性」を挙げています。それらの結果から、収益よりも楽しむことを重視した方が良いことが推察されます。グループが集まることにより、勉強会や輪読といったサークル活動が活性化するメリットもあります。

最後に何よりも大切なのは、頒布物を完成させることです。エンジニアは本業も忙しいと思いますが、印刷の期間も考えて必ず頒布物を完成させましょう。

まとめ

2019年6月時点では、有名な技術書展は「技術書典」に限られているようです。しかし、これだけの盛り上がりを見せていることを考えると、今度は地方でも技術書展が開催されることが予想されます。

技術書展は技術書を購入できるだけでなく、多くのエンジニアとコミュニケーションをとる絶好の機会となります。ぜひ参加して、その楽しさを味わってみてはいかがでしょうか。