エンジニアにとって技術書の執筆は、目指すべき目標の一つと言えるでしょう。例えば、ITエンジニアである「ゆたかさん」はソフトウェア開発者である傍ら、技術ライターとしても活躍し多数の書籍を執筆しています。
ただし、多くのITエンジニアにとって、技術書の執筆は未知の世界です。そこで、今回の記事では以下の三つの項目を取り上げます。
- 技術書を執筆するメリット
- 技術書を執筆するデメリット
- 技術書を執筆する流れ
それぞれの項目について詳しく解説します。
技術書を執筆するメリット
技術書を執筆して出版するまでには、大変な労力を要します。それでも、技術書を執筆する理由とは何でしょうか。その代表的なメリットとしては、以下のような内容が挙げられます。
- 執筆した分野の深い知識を得られる
- 新たな仕事に繋がる
- 満足感を味わえる
技術書の役割は、自分の知識を多くの人にも分かりやすいように解説することです。しかし、誰かに物事を説明するためには、その知識についての深い理解が必要です。技術書として書く内容に間違えがあってはならないので、きちんと調べて正しく理解した上で執筆することになります。一冊の本を書き上げる頃には、執筆した分野について深い知識を得ているはずです。
また、技術書を出版すると、著者の名前が広まります。さらに、技術書を出版する位のスキルを身に付けているということで、エンジニアとしても箔が付くでしょう。技術力があるエンジニアとして有名になれば、新たな仕事に繋がっていくはずです。
技術書の出版は誰にでも得られる経験ではありません。一生懸命努力して技術書を書き上げた経験は、必ず自分の自信に繋がります。さらに、技術書が出版されれば、読者の感想やフィードバックを得られます。読者の役に立ち感謝されることで、高い満足感を得られるはずです。
技術書を執筆するデメリット
技術書の執筆は、メリットばかりではなくデメリットも存在します。その代表的なデメリットとしては、以下のような内容が挙げられます。
- 執筆に大変な労力を要する
- モチベーションの維持に苦労する
- 労力に見合った利益が出ない
本を執筆する作業はとても大変です。特に技術書は、用語集や図解、サンプルプログラムなど執筆する内容も多岐にわたります。さらに、執筆後には編集作業があり、文章を読みやすくするため推敲を繰り返すことになります。執筆者の多くはエンジニアとしても仕事を抱えているため、本の執筆だけに集中できません。執筆中は本業との両立に苦労するでしょう。
また、技術書が完成して出版されるまでには、長い期間を要します。最初は、やる気に満ち溢れていたとしても、時間を追うごとにモチベーションは低下します。執筆中には、知人や友人に原稿を読んでもらい、反応や感想を得ながらモチベーションを維持していくと良いでしょう。
さらに、IT分野は変化が激しく、技術のトレンドもすぐに変化します。技術書は出版して年月が経過すると、情報が古くなり価値が落ちてしまいます。ターゲットとなる読者層も限れているため、労力に見合った利益が出ないことも覚悟しておきましょう。
技術書を執筆する流れ
まず、技術書を出版してもらうためには出版社から仕事の依頼を受ける必要があります。もしも、出版社とのコネクションを持たない場合は、ブログや自費出版による実績作りから始めましょう。
出版社から仕事の依頼を受ければ、いよいよ技術書の執筆に入ります。一般的に技術書執筆は以下のような流れになります。
- 企画
- 執筆
- 編集
- 出版
1の企画では、本の概要や目次を決定します。企画が決まれば、2の執筆で原稿を書きます。3の編集では、文章を読みやすくするために推敲を繰り返します。4の出版は出版社の作業で、印刷、製本等の作業を経て本が販売されます。
書籍を執筆するためには、継続的に作業するための工夫も必要です。例えば、GitHubに原稿をコミットしてPDFを出力する仕組みを作っておけば、校正の簡易化やモチベーションの維持に繋がります。
まとめ
技術書の執筆は、多大な労力が必要な上、労力に見合った利益もあまり期待できません。しかし、技術書の出版によって得られた仕事や完成した満足感は、他には代え難い経験となるはずです。