ITエンジニアは年収600万ないとエンジニア語れないらしい?

経済産業省の調査によると、IT人材の平均年収は約600万円となっています。現代の日本社会において、年収600万円と聞くと高収入であると感じる方も多いでしょう。しかし、ITエンジニアの収入に関してはそうとも言い切れません。

理由としては、ITエンジニアは残業や休日出勤が多く、時給に換算するとそれほど高い報酬とは言えない場合があります。そこで今回の記事では、日本のITエンジニアの現状や実際の生活、豊かな暮らしを実現する方法について解説していきます。

日本のITエンジニアの現状

海外でITエンジニアと言えば、人々が憧れる人気の職業の一つです。経済産業省による「IT人材に関する各国比較調査」では、日本と韓国を除くアジア諸国で、IT人材の平均年収が国内全産業平均の4〜10倍と高い水準を示しています。

また「現在のITに関する仕事にどのくらい就きたいと思っていたか」という調査でも、「絶対に就きたいと思っていた」と答えた人がインド、インドネシア、アメリカで60%を超えたのに対して、日本はわずか7.0%と非常に低い割合になりました。

ITエンジニアのイメージが良くない原因としては、過酷な労働状況が挙げられます。実際にシステム開発の現場では、終電での帰宅や休日出勤が続くことも珍しくありません。

年収600万円のITエンジニアの現実

では、平均年収が600万円とされるITエンジニアはどのような生活をしているのでしょうか。結婚して子供がいる30代の男性という設定で検証してみます。

まず平均年収600万円という値は、一部の高収入エンジニアや役職に就く50代のエンジニアが平均値を引き上げています。実際に30代のIT人材を見てみると、その半数が350〜650万円の間に分布しています。

ITエンジニアは、技術書の購入やIT資格受験などスキル習得に使う費用も多くなります。結婚して子供がいれば、家計に占める養育費の割合も高くなり、自由に使えるお金はさほど多くありません。

さらにITエンジニアは激務が多く、子供と触れ合う時間もあまり取れません。残業とスキル習得に時間を取られると、自分の時間はますます少なくなります。

これらの現実から、平均年収600万円と言ってもさほど良い暮らしはできず、結婚して子供ができればギリギリの生活を強いられることが分かって頂けるか思います。

ITエンジニアが豊かな暮らしを実現する方法

では、ITエンジニアが豊かな暮らしを実現するためにはどうしたら良いのでしょうか。その方法は大きく分けると二つしかありません。「年収を増やす」か「生活費を下げる」ことです。

年収を増やす」ために有効な方法としては、高給を得られる職務への就任が挙げられます。システム開発の現場においては、特にプロジェクト全体の進行を管理できるプロジェクトマネージャーが重宝されます。開発チームを指導できるスキルを持つITエンジニアは、高い報酬が期待できます。

生活費を下げる」ために有効な方法としては、フリーランスエンジニアへの転職が挙げられます。特にWeb系のエンジニアはリモートワークによる案件も多く、地方や海外へ移住すれば生活費を大きく下げられます。またフリーランスエンジニアは仕事時間の融通が利きやすいため、家族との時間も増やせます。

ただし、どちらの方法においてもITエンジニアとしての高い能力が求められます。まずは会社員として実務経験を積みながら、ITスキルを身に付けていきましょう。

まとめ

ITエンジニアの価値を判断する基準は年収だけではありません。特に最近では、自由な働き方を求めるITエンジニアも増えています。たとえ年収が低くても、やりたいことを優先できれば生活の満足度は向上するはずです。

ただし、自分の理想とする働き方を実現するためには、相応のITスキルが必要です。まずは自分が仕事において優先する項目を認識し、目的に合ったキャリアプランを構築することをおすすめします。