SPA構築の主な特徴と有名なJavaScriptフレームワークを紹介

最近Webサイト構築において、SPAが大きく注目を集めています。SPAを導入している有名サイトとしては、Googleの各種サービス、Facebook、Twitter、Hulu、Netflix等が挙げられます。

しかし、エンジニアの中にはSPAという言葉を聞いたことがない方もいるでしょう。そこで、今回の記事ではSPAの特徴や、メリット、デメリット、有名なフレームワークについて、初心者に分かりやすく解説します。

SPAの特徴

SPAとは「Simgle Page Application」の略で、日本語ではシングルページアプリケーションと呼ばれます。SPAを利用すると、単一のWebページでアプリケーションのようなUI(ユーザインタフェース)を閲覧者に提供できます。

通常のWebページは、ユーザーがアクションを行うたびにページ遷移とデータ通信が発生します。しかし、SPAはページ遷移を行わずに様々なコンテンツを表示できます。データ通信においても必要最小限のデータのみを取得するため、レスポンスが速くユーザーは高い満足度を得られます。

従来のインターネットでは、リッチなWeb表現にFlashが対応していました。しかし、セキュリティの脆弱性が指摘され、各ブラウザが対応を終了しています。そのような状況の中、WebページでFlashと同等のUIを実現できるSPAが注目されています。

SPAのメリット

WebサイトにSPAを導入するメリットとしては次のような内容が挙げられます。

  • リッチなコンテンツを提供できる
  • 素早くページを移動できる
  • アプリのような挙動を実現できる

SPAはブラウザによるページ遷移を介さずに、新たなコンテンツを提供します。例えば、動画配信サービスのWebサイトであれば、ユーザーのクリックやスクロールに反応しながら動画を表示できます。

SPAはユーザーが長時間滞在して多数の操作を行うWebサイトに向いています。インターネットショッピングサイトやチケットの予約サイト、プッシュ通知が役立つSNSサイト等がその典型例と言えるでしょう。

SPAのデメリット

逆に、WebサイトにSPAを導入するデメリットとしては次のような内容が挙げられます。

  • 開発コストが高い
  • 初期ページの表示に時間がかかる
  • SEOで不利になる可能性がある

SPAは開発できる人材が少なく実装規模が大きくなるため、開発コストが高くなります。また、初期ページのコード量とモジュールが多くなるため、最初に表示されるまで時間がかかります。さらに、検索エンジンのクローラーではJavaScriptが実行されず、SEOで不利になる可能性があります。

よって、SPAはSEO施策が必須となるサイトや直帰率が高いサイトには向きません。単品通販サイトやトレンドサイト、ブログ等がその典型例と言えるでしょう。

しかしながら、これらの問題はSSR(サーバーサイドレンダリング)を用いることで回避することが可能です。
開発コストに関しても現状のフロントエンド開発に必要な技術がベースになっているため、徐々に扱える人材は増えていますのであまり問題にはならないでしょう。

SPAの主なフレームワーク

SPA向けのJavaScriptフレームワークは多数公開されています。その中でも有名で人気があるフレームワークを三つ紹介します。

Angular

Angularは、Googleが主体で開発するTypeScriptベースのフレームワークです。開発に必要な機能が一通り揃っているフルスタックフレームワークで、高い生産性が期待できます。ただし、TypeScriptというJavaScriptベースの新言語を採用しており、本体の機能も多いため、習得に時間を要するという欠点があります。

React

Reactは、Facebookが主体で開発するJavaScriptライブラリです。本体は最小限の状態で構成されており、機能の実装には様々なライブラリを導入する必要があります。ReactはViewの表示系に特化しており、複雑なUIの作成を得意とします。さらに、機能がシンプルな分、覚えることは少なくて済みます。

Vue.js

Vue.jsはAngularの開発に携わったエヴァン・ヨーによって開発されたJavaScriptフレームワークです。上記二つのフレームワークと比較して後発であり、他のフレームワークの良い部分を積極的に取り込んでいます。Vue.js自体は非常にシンプルなフレームワークですが、Vue.jsから派生したNuxt.jsを使うと、単体でも基本的な機能を一通り実現できます。

まとめ

SPAは有名な企業のサイトで導入されることも増えて、普及段階に入りつつあると言えるでしょう。WebエンジニアはSPAを学び、市場の需要に応えることで、報酬の増加が期待できます。