これほど勉強をし続けないといけない業界はあるのか?と思うくらい勉強やスキルアップに追われるIT業界。
IT技術の進歩はとどまることを知らず次々と新しい技術が登場するので置いてきぼりにされないためには日々の勉強が必要なのですね。
どうせ勉強やスキルアップをするならついでに資格取得をしてやろうじゃないかと考える方も少なくないかと思います。資格取得という目標があればモチベーションもアップするというものです。
また、これからIT業界に挑戦しようとしている人は実務経験がない代わりに資格を取得しておきたいと考えているかもしれません。
そこで今回は2020年に向けてIT業界で使える資格について厳選した5つをご紹介していきます。資格取得を考えている人はぜひ参考にしてもらえればと思います。
そもそも資格取得って意味があるの?
資格の紹介をする前にまずは理解しておきたいのが資格取得の必要性。
「結局のところ実務経験が全てなんでしょ?」という声がたくさん聞こえてきそうですが、全くもってその通りでございます。
ここで嘘をついても仕方がないのでハッキリと言いますが「資格を保有している人 < 実務経験有り」というのは覆りません。
ではなぜ資格を取得するのか。一言で言うならば「資格があることで自身の能力を客観的に証明できるから」です。
就職や転職をする際、採用担当者がITのスペシャリストであるとは限りません。どれだけ凄い実務経験があってもその内容を理解できる採用担当者でなければドヤ顔で語っても暖簾に腕押しもいいとこです。
資格を保有していればその難易度からその人がどのような知識を有しているのかを判断できますし、難易度が高ければ「それだけ努力できる人」と思ってもらえるかもしれません。
就職や転職だけでなく新しいプロジェクトの人選の際にも見られるかもしれないので「転職する気はないから関係ない」なんて思わないでくださいね。
というわけで、資格を保有していることで第三者から「この人は最低限これだけの知識を有している」という物差しになるのです。
資格取得に迷ったらまずはコレ!「ITパスポート」「基本情報技術者」
ド定番の「ITパスポート」ですがド定番にはド定番なりの理由があるのです。
ITパスポートは社会人として備えておくべきITの基礎知識を証明することができる資格なのでIT業界未経験ないしは経験が浅い人はまず押さえておくべき資格です。
ITパスポートじゃ物足りない!という人は基本情報技術者を目指しましょう。情報技術の基本的な知識はもちろん、設計書からテスト(検証)まで一連の流れを学べるので、こちらもIT業界未経験や経験が浅い人、駆け出しのITエンジニアにオススメです。
2020年の4月からCOBOLが廃止され、Pythonが追加されるといった変更もあるのでこれから勉強をする人は注意してください。
<ITパスポート>
- 受験者数:約7万~8万人
- 合格率:約40~50%
<基本情報技術者>
- 受験者数:約7万~8万人
- 合格率:約20~23%
■情報は命!「情報セキュリティマネジメント」
今のご時世、情報漏洩が発生するととんでもない金額が動き、企業のお偉い様たちが会見で頭を下げるなど超大ごとになります。某コンビニの決済システムなんかのトラブルは記憶に新しいのではないでしょうか。
そんな情報セキュリティは今後強まることはあっても緩くなることはまずありえません。
資格次第は情報セキュリティの基盤整備や専門家として情報セキュリティ管理をするものですが、仕事としてセキュリティに関わっていない人でも勉強すると世の中のシステムの作りなどが見えてきて面白いです。
<情報セキュリティマネジメント>
- 受験者数:約2万人
- 合格率:約40~50%
■オリンピックに向けて英語を勉強しませんか?「TOEIC」
いやいや、IT業界で使える資格の話なのにオリンピックとか何言ってんだこいつ…とか思わないでください。
英語が使えた方が人生裕福になるのは本当のことなんですけど、それはまた別の機会に。
IT業界でなぜTOEICなのかというとグローバル化とIT技術先進国がアメリカであるからです。
グローバル化でクライアントと英語でコミュニケーション、オフショアで英語で指示出しする機会はますます増えます。また最新技術の情報などは英語で書かれていることが多いので翻訳できないと出遅れてしまうなんてこともあります。
現にITエンジニアの求人でも英語が使える人材の募集がかなり増えているので「日本から出ないから関係ない」とか言っていると取り残されますよ。
<情報セキュリティマネジメント>
- 総受験者数:約266万人
※上記は2018年のTOEIC Program受験者数です
■いつまでも使われる立場は嫌だ!「プロジェクトマネージャー」
ITエンジニアとしてスペシャリストを目指す人もいればジェネラリストとして管理職系を目指したい人もいます。
ITエンジニアとしての現場を見てきた経験も活きますが、資格取得のために知識として学んでみると奥が深いというものです。指示を受けて作業をするより決裁権を持ってプロジェクトを動かし成功に導いてやるぜ!という気概を持っている人は一度勉強してみると良いかと思います。現場の見え方が随分と変わりますよ。
<情報セキュリティマネジメント>
- 受験者数:約1万2千人
- 合格率:約12~15%
■イマドキの注目資格
ここまで定番で鉄板な資格を紹介してきましたが、イマドキ感あふれるクラウド系の資格にも注目です。
GCP資格(Google Cloud認定試験)
GCPは正式には「Google Cloud Platform」と名前の通り、Googleが提供しているパブリッククラウドサービスです。
GCP資格はGoogle Cloud に関する各種知識が試験によって問われ、一定基準に達するとGoogleから資格が発行されます。今の時代、Googleを使ったことがないという人はおそらくいないと言っても過言ではないと思われます。
仕事以外に話の種にもなりそうですね。
AWS資格
クラウドサービスのなかでもメジャーなAWS。正式名称は「Amazon Web Services」でAmazonが提供しています。
その認定資格であるAWS資格は簡単に言うと、AWSを使用してクラウドの活用を主導していく技術的スキルや専門知識があるか否かが問われる試験です。
11の分野別に試験が実施されるというハードさに加え、一部を除いて英語で出題されるのでハードルが高いと感じられるかもしれません。
しかし、ITエンジニアとして就職、転職活動をしている人ならご存知かと思いますが近頃では募集要項にAWSの経験を聞いてくる企業も多いので持っていると有利になりそうな匂いがプンプンしますよね。
Salesforce 認定資格
世界15万社で導入されているシェアNo.1の営業支援・CRMツールであるSalesforceの認定資格。Salesforce組織のメンテナンスや、業務用件に基づいた管理、カスタマイズを行う役割ができるようになると考えただけで、活躍の場が無数に広がることが伝わるかと思います。
試験は基本試験と上位試験に分かれていて、基本試験の合格者が上位試験へ進むことができます。職場でSalesforceを触っている人は実機が触れる環境にあるアドバンテージを活かして受けてみましょう。
■まとめ
数あるIT系の資格の中から国家資格を4つに語学を1つご紹介してみましたがいかがでしたか?
もしかしたら真新しさを感じられなかった人もいるかもしれませんが、文中でもお伝えした通り、定番には定番の理由があるんですね。必要で多くの人が受けるから定番であり、多くの人が知っているからこそその知識は常識と化すのです。
トリッキーでニッチな資格も良いですが、基本あっての応用であることを忘れずに資格の勉強をしていきましょう。
また、併せてイマドキのクラウド系の資格についても触れてみましたが、気になる企業やトレンドとなる企業の求人情報を見てみるのも資格取得の参考になるかと思いますので頭の片隅にでも置いておいてもらえればと思います。