次に来るSaaSビジネス領域はこれだ!

最近耳にすることが多い「SaaS(サース)」という言葉。正式名称は「Software as a Service」。

簡単に言うとこれまでパッケージで販売されていたソフトウェア製品がクラウド上で販売されるようになったわけですね。つまりインターネットに接続可能な環境があればいつでもどこでもサービスを受けられるようになったということです。

実に便利な世の中です。

ユーザー側としては少額で手軽に導入できるうえにアップデートも随時可能なので最新の状態で使い続けることができますし、ベンダー側としてもスタートは少額でも長期で使用してもらえればゆくゆくはパッケージ販売よりも利益を出せますしアップデートもしやすいので効率的に作業することができるわけです。

そんな魅力が詰まったSaaSですが、それだけにスタートアップ企業でもSaaSの企業が増加中。時代はまさにSaaS戦国時代。

そんな戦場に後発で乗り込んで戦果をあげるにはどこで勝負をすれば良いのか。頭を悩ましている人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は次に来るSaaSビジネスの領域についてお話しをしようと思います。

■狙うは大企業病、アナログ業務!

社内政治や事なかれ主義などさまざまなニュアンスを指して使われることが多い「大企業病」という言葉ですが、ここでは「保守的で非効率な企業」というニュアンスで話を進めさせていただきます。

こちらの病気は名前通り「大企業」だけではなく「中小企業」も感染していることがよくあるということを頭の片隅に置いておいてもらえると話についてイメージがしやすいかと思います。

「アナログ業務」に注目する理由としては、この「大企業病」に感染している企業では未だに紙媒体を多用していたりExcel至上主義を貫いていることが多々あるからです。(いや、たしかにExcelめちゃくちゃ便利なんですけどね。)

■紙媒体やExcel至上主義はもう古い?

あらかじめ弁明しておくと、紙媒体やExcelの使用はもう古いから使うのやめようぜ!という話ではありません。

紙媒体はお役所や監査などが入った際に提出に必要ですし(年末調整などWEBで完結させる企業も増えてきていますけど)、Excelなどのoffice系は使える人が多いのでわざわざ社員にレクチャーする必要なく使えますもんね。

エンジニアの人なら身に覚えがあるかと思いますが、ほとんど同じなんだけど微妙に違うスクリプトを大量生成しなければいけなかったり、データの入れ替えにてその前後の差分を出したりするのに重宝します。

クライアントへの資料提出なんかもoffice系で送っておけばまず間違いないですしね。

ということで、紙媒体やExcel自体が不要というわけではないということで悪しからず。

前置きが少し長くなりましたが、この紙媒体やExcelにおける作業をもっと効率良く作成できたら良いと思いませんか?

残業時間や稼働時間に厳しいこのご時世、違反企業には刑事罰則もついているのでいくら保守的な企業でも変わらざるを得ない状況です。

リプレイスもしやすく、かつマーケットも充分な大きさがあるのでまだまだ狙うことが可能であると思われます。

■どんなサービスが考えられる?

先に少し触れましたが従来紙媒体で書いていた年末調整(既存のサービスですけど)なんかは社員からしてみれば年に1回しかないイベントなので何をどこにどう書けば良いのかチンプンカンプン。

申し訳程度に用紙に書かれている説明を読んでもよく分からない人も多いのではないでしょうか。分からなくても総務部に問い合わせて確認すれば問題かもしれませんが、総務部の稼働が上がってしまいますよね。

WEBサービスで説明から不備の有無まで確認をしてくれればそんな煩わしさから解放されます。

では、これが年1回ではなく毎月の給与明細の作成だったら?日々の日報だったら?随時更新される顧客情報や社員情報の管理だったら?(これらも既存のサービスで多くの業が導入していますが。)

年1回より月1回、月1回より週1回、週1回より日1回…と頻度が高ければ高いほどその需要が増すことは言うまでもないかと思います。効率化が図れるツールやサービスを使う頻度が高ければ高いほどコスパが良くなるということですね。

丸パクリは言語道断であることを前提にですが、これらで企画を考えている人で行き詰っている人は既存のパッケージ販売されているソフトウェア製品で需要があり、しかしながらクラウド化されていない製品にフォーカスしていくとヒントを見付けることができるかもしれませんね。

■まとめ

これら会社運営において必ず必須となり、かつ大量に行う必要がある業務を効率化してあげるサービスをSaaSで提供することは後発の新規企業、新規事業でもまだまだチャンスはあります。

また、パッケージとしてソフトウェア製品を販売している会社でSaaSにシフトチェンジしていない会社は近い将来同種のサービスを扱うSaaSの企業に競り負けてしまう可能性も無きにしも非ずという状況であることを覚えておきましょう。