ディープラーニングという言葉が生まれてから久しいですが、昨今ではビジネスでも導入や応用がされ効率化や精度の向上に役立っています。
これから職場への導入や開発をしようと検討している人もいることでしょう。
ディープラーニングのビジネスへの活用は、職種によっては未だお目にかかれていない方もいるかと思いますが、着実にその導入事例は増えてきており、人の手から機械へと置き換わってきています。
つまり「”AIに仕事を取られる”は確実に進んできている」ということですね。
そこで今回はディープラーニングのビジネス応用事例についてご紹介をしていきます。
あなたの仕事は大丈夫かチェックしてみましょう。
■ディープラーニングのおさらい
「何をいまさら…」という声が聞こえてきそうですが、念の為ディープラーニングについておさらいをしておきましょう。
ディープラーニングとは、人間が行うタスクをコンピューターに学ばせる機械学習のことを指し、その活用領域は次の4つに分類することができます。
①画像・映像データ
②テキストデータ
③音声データ
④数値データ
活用領域をおさらいしたところで、以降では事例について見ていきましょう。
■①画像・映像データの活用
2019年に「ディープラーニングビジネス活用アワード」にて大賞を受賞したご存知キューピーでは「AI食品原料検査装置」というプロジェクトでディープラーニングを活用しています。
これは従来人の手で確認をしていた食品原料の検査をディープラーニングが得意とする画像認識技術に置き換えたものです。
その精度はなんと人が行う検査と変わらないレベルまで達しています。人の検査よりも精度が高くなるのも遠くない未来に訪れるでしょう。
また、ユニファ(名古屋市)が開発した保育士の負担軽減のための写真自動判定システムもこの画像認識技術が用いられています。
ユニファ株式会社 – テクノロジーの力で家族をもっと豊かに https://unifa-e.com/
この他にも、私たちの身近なところでいうと自動車やスマートフォンでも活用がされています。標識の識別や顔認証システムがその事例です。
あまりにも身近で意識しないと気付けないのですが、画像認識技術は日々進化して私たちの生活に溶け込んできているのですね。
■②テキストデータの活用
テキストデータの活用においても「ディープラーニングビジネス活用アワード」にて楽天が優秀賞を受賞しています。それが「Rakuten Translate」。
ディープラーニングの技術を用いてストリーミング動画に表示される字幕を最大35ヵ国語に自動翻訳するという代物です。
つい一昔前までの翻訳(ネット翻訳)は目も当てられないくらい酷いもので結局自分で訳す羽目になったものですが、現在のその精度は目を見張るものがあります。
「これが学生の頃にあったら…」と嘆かれている大人の方も多いのではないでしょうか。
■③音声データの活用
こちらは普段から活用をしている人も多数かと思いますが「OK、Google」やiPhoneのSiriなどがその代表的な事例と言えるでしょう。
また、ビジネスツールで使用したことがある人もいるかもしれませんが「GridSpace」もディープラーニングの音声データを活用したものです。
Gridspace https://www.gridspace.com/
ビジネスの場で会議は付き物ですが、議事録を作るのって面倒ですよね。そんな議事録を自動で作ってくれるだけではなく、会議中のハイライトまで整理をしてくれる優れものです。
また、現在でも既に実装されているものもありますが、SF映画のように家電の操作も音声で行うことができるうようになってきています。近い将来、各家電からリモコンやボタンが消える日も来るかもしれませんね。
■④数値データの活用
ディープラーニングやAIの本領発揮とも言える数値データですが、その活用方法は多岐に渡っています。
マーケティングやプログラムの構築など誰しもが思い浮かべるかと思いますが、ここで紹介するのはAnyTechが開発した「DeepLiquid」。こちらは蓄積された世界中の流体データから、AIによって水質を判定するというものです。
AnyTech(エニーテック)| AIスタートアップ https://www.anytech.io/
水質の判定には数値が使われることはもちろん、水中の微生物の行動や種類を判定、鋼鉄や飲料水、薬品など様々な流体を活用対象領域としています。
データは蓄積されていくので今後もその対象は広がり続けていくことでしょう。
マーケティングのような目に見える数値だけではなく、水質のように目に見えない数値も扱うことができるディープラーニング。その活用領域はもはや無限と言っても過言ではないでしょう。
■まとめ
ディープラーニングが導入され、自動化が進む昨今ですが、ビジネスの場だけではなく私たちの生活のアシストもしてくれています。
少子高齢化により人材不足が嘆かれている昨今においてディープラーニングは非常に便利で効率的ではありますが、これだけ世の中に自然な形で溶け込んできているといことはその分仕事を取られてしまっている人もいるということです。
今回ご紹介したような保育士のような常に人材不足で人が集まらない業界であれば、ディープラーニングによる負担軽減も大いに役立ちます。一方で、現状人材に困っていない企業で導入された場合はどうでしょうか。
「AIに仕事を取られても別の仕事(AIの管理など)が増えるから大丈夫」と楽観視している人もいますが、それはあくまで「別の仕事」をできる人であり、そうではない人は淘汰されてしまうでしょう。
今回ご紹介した事例は一部ですが、自身の仕事に置き換わるか是非とも参考にして今後の立ち回り方に役立ててみてください。