システム開発のモデルには「ウォーターフォール」「アジャイル」「スパイラル」といったいくつかの方法があります。その中でも「ウォーターフォール」型の開発で使われるのが「上流」や「下流」と呼ばれる言葉です。上流工程は、システム開発において要件定義や設計といった最初の方の工程を指します。
上流だからと言って立場が上になるわけではなく、単に役割の違いを指します。ただ、システムの要件定義や設計といった「上流工程」を担当する上で、開発やテスト等の「下流工程」をきちんと理解する必要があります。今回の記事では、エンジニアの中でもシステムの要件定義や設計を中心にやっていきたいと思う方向けの話をしていきたいと思います。
名が知られた大企業へ入社するべき
大きなシステム開発のプロジェクトは、一般的に名が知られた大企業が中心となって受注します。ただ、大きなプロジェクトの開発は一つの会社だけでは開発人員がとても足りません。ですので、中小企業から人材を集めることになります。
中小企業から大企業へ出向した場合、携わる工程は開発やテストといった下流工程が多くなります。要件定義や設計といった上流工程は、開発を受け持った大企業の社員が担当します。ですので、大きなプロジェクトの上流工程から参加したければ、そもそも大企業に入社している必要があります。
とはいっても、要件定義や設計には開発やテストといったシステム全体の知識が必須です。新人だと担当できないため、大企業に長く勤めて徐々にステップアップしていくのが分かりやすい道です。
中小企業で要件定義や設計を担当するためには
要件定義や設計の工程は、大企業の社員しか担当できないわけではありません。もちろん、中小企業の社員であっても担当できます。
例えば、比較的小さな規模のシステム開発であれば、中小企業であっても自社開発することは珍しくありません。小さな規模のシステム開発では開発に携わる人数が少ないため、要件定義や設計といった工程も担当できます。開発の期間も短いため、システム開発全体の工程を効率よく学べる利点があります。
他には「ウォーターフォール」以外の開発モデルで、システムを構築する場合にも、要件定義や設計の作業を担当できます。例えば「アジャイル」モデルのシステム開発では、設計や実装を繰り返すため様々な工程を勉強できます。設計専門というよりも、要件定義、設計、実装、テストといったシステム開発全体の工程と関わることになります。
大企業へ転職して上流工程に携わる方法も
大企業への転職によって、設計エンジニアを目指す方法もあります。特にコミュニケーション能力や開発スキルに優れた人材は、プロジェクトの中でも目立つ存在です。転職を考えていることを話せば、大企業側からスカウトされることも大いに考えられます。
ただ、大企業へ転職しても希望通りの業務に付けるとは限りません。特に優秀な人材であれば、システム開発のチーム全体を見渡す役割を任されることも多いはずです。
さらに、大企業への転職を実現するためには、能力があるだけでは不十分です。ITや英語に関しての資格を取得し、分かりやすくアピールできると良いでしょう。また、年齢に関しては若ければ若いほど有利です。転職を考えている方は早めに動きましょう。
まとめ
システム開発の手法は、日々進化しています。上流や下流といった開発の工程にこだわるよりも、プログラミングやマネジメントといった様々なスキルの向上を心がけましょう。
特に今後は、IT業界でもグローバル化が進むはずです。英語力やコミュニケーションの力をつけて、時代の変化を乗り切っていきましょう。