35歳までのキャリアアップ

人生100年時代はちょっと言い過ぎだと思いますが、平均寿命が延び定年が60歳から65歳に延長になった企業も増え、転職市場でも50歳前後まで正社員採用されるケースも見受けられるようになり、エンジニア35歳定年説はすっかり昔の話になりました。ただ新しいことを学ぶ力は今でも35歳ぐらいまでとそれ以上では大きな差があります。
特にITエンジニアの場合、技術の盛衰が早く、それについていける基礎的なIT知見や情報を収集し習得する能力を35歳までに身に着けることができれば、その先も長くIT職場のコア人材として活躍でき、年収アップにつなげることができます。そこで、35歳までにどのようなキャリアアップを行うべきかを一例をご紹介します。

資格を取ろう

ITエンジニアには、国家資格の基本情報処理資格・応用情報処理資格・各種スペシャリスト資格に加え、マイクロソフト・オラクル・シスコなどの大手ベンダーの認定資格やLinux認定など、エンジニアの各分野に即し広く認知された資格が整備されており、スキルアップの明確な目標にすることができます。そして、それらの資格を取得することで、専門スキルがアップし、レベルの高い業務を任されるようになることで昇給昇格につながって年収アップを実現できます。また、転職時の自分の業界での価値を上げることもできます。
各資格に合格するには、やはり机の前に座ってじっくりと参考書で勉強したり、過去問題を解いたりする地道な取り組みが必要であり、そういう習慣から長く離れてしますと辛いものになります。そういう意味でも、まだ学生のころ勉強した記憶が残っている35歳ぐらいまでに資格取得にチャレンジすることで、合格できる確率を上げることができます。

設計・構築をめざそう

ITエンジニアの仕事として、ITインフラの運用管理やシステム開発でのテスト業務などの下流工程と呼ばれる業務があります。いずれも大事な仕事ですが、インフラの設計・構築業務、システム開発の設計業務などの上流工程と比べると時間単価が低めに設定されます。このため、キャリアアップして年収を上げるには、時間単価の高い上流工程を目指す必要があります。当然、技術的な難易度は高いものが要求されますので、30歳ぐらいから目指して数年後に実現するイメージになります。この取り組みが遅いと、担当している下流工程でのリーダーやマネージャになってしまい、チャレンジする機会自体を失う可能性があります。

コミュニケーションスキルを磨こう

ITエンジニアに限らず、企業で働いて年収を上げるためには、人を使うすべを身につけるためのコミュニケーションスキルが必須です。自分ひとりでできることは限られており、チーム力を生かしてこそ会社に貢献できる大きなパフォーマンスを発揮することができます。そのためのコミュニケーションスキルは、生まれ持った人も中にはいますが、エンジニアという職種を選択する人は概して得意ではない傾向にあります。学び方は、専門の研修を受けたり、ノウハウ本で勉強したりといろいろ考えられますが、友人や家族とのコミュニケーションとは異なり、仕事をうまく進めるためのものですから、考え方を切り替えることができれば、意外と短期間に習得できます。ただ、年齢を重ねると、頭が徐々に固くなりその切り替え自体が難しくなってきますので、やはり35歳くらいまでには、無理なく実行できるように習得する必要があります。

まとめ

エンジニアとしての現役生活が長くなってきていますが、35歳ぐらいまでの取り組み方次第で、職場のコア人材になって年収を着実にアップし続けることができるか、周辺人材のままで頭打ちの年収で終わるかが決まります。そのことを充分理解して、集中してキャリアアップに取り組んで見てください。