WEB系企業でのキャリアアップ方法を、業務系企業との違いから探る

IT企業は主にWEB系と業務系に分けられます。WEB系企業は、インターネット接続を前提としたブラウザ上で動作するシステムによってサービスを展開する企業を指します。対して業務系企業は、主に仕事で使う顧客管理や業務支援のシステムを作成して利益を上げる企業を指します。

今回の記事では、WEB系と業務系のシステム開発のやり方について違いを比較しながら、WEB系企業でキャリアップする方法について探っていきたいと思います。

開発スピードの違い

WEB系システム開発の特徴として、開発にかかる日数が短いことが挙げられます。業務系システム開発では、大きなプロジェクトともなるとトータルの開発期間が一年以上となることは珍しくありません。しかし、WEB系システムの開発期間は多くが一ヶ月以内と、非常に開発スピードが速くなります。

WEB系システム開発では、実装とテストを繰り返す「アジャイル開発」が多く用いられます。よって、要件定義や設計といったより広い知識を身に付けておく必要があります。また仕様が変更されることも多く、臨機応変に対応しながら仕事をしなければなりません。

WEB系企業でキャリアアップしていくためには、時間が限られた中で自分の能力を発揮するための自己管理能力が必要となります。時には、確実性よりスピードが重視される場合もあります。計画、実行、評価、改善というPDCAサイクルを素早く回して、確実に売上を上げていきましょう。

プログラミング言語の違い

WEB系システムと業務系システムでは、主に利用するプログラミング言語が異なります。まず、WEB系システムではブラウザ側の処理であるフロントエンド言語の重要性が増します。フロントエンド言語は、具体的に「HTML」「CSS」「JavaScript」の三種類です。これらのコーディングスキルを確実に身に付けておきましょう。

WEB系システムのサーバーサイド言語は、「Ruby」や「PHP」といったスクリプト言語の利用が多くなります。スクリプト言語はソースコードを書いてすぐに実行できるため、開発のスピードが速くなります。利用する言語の違いを知り、よりWEB系に適したプログラミングスキルを習得していくと良いでしょう。

またWEB系システムでは、生産性を高めるためにWEBフレームワークを利用します。フレームワークでは一般的な機能が用意されているため、効率的に開発を進められます。フレームワークを使うためには、まず基本となる言語の知識があることが前提となります。ですので、利用するフレームワークに対応する言語をきちんと習得することを心がけましょう。そして、業務で実際のコーディングを通して、フレームワークの使い方を覚えていきましょう。

担う役割の違い

業務系のエンジニアに求められるのは、自分に与えられた仕事をしっかりとこなすことです。対してWEB系エンジニアには、どれだけ売上に貢献できたかという成果が求められます。ユーザーの情報を分析し、事業を軌道に乗せる目的で開発するように心がけましょう。

キャリアアップしていくためは、開発の部分的な知識だけでなく、自分一人でも開発していける技術力が重要となります。よって、要件定義から設計、実装、テストといったより広い範囲のスキルを学んでいきましょう。

また、WEB系企業ではプロジェクトをマネジメントする能力が重要視されます。システム開発に関する一連の知識を身に付け、開発方法を提案し、実施していく力をつけていきましょう。そうすれば、WEB系企業への転職だけでなく、フリーランスとしても働いていけます。

まとめ

WEB系企業は、業務系企業と違い業務が細分化されておらず、仕事を自分で見つけていかなければなりません。人から言われるのではなく自分で動いていく努力が必要です。新規の事業や企画には積極的に関わり、経験を積むチャンスを逃さないようにしましょう。

また、変化のスピードが速いため、情報収集力や臨機応変に対応する力が求められます。変化を拒むのではなく、むしろ楽しんでいけるようなタイプの人が向いているでしょう。